「日本オタク大賞」に見えたオタク論壇の行き詰まり
04/04/16-21:56

年に一度のお楽しみである
書籍版『日本オタク大賞2004』を発売日にゲット。同時に『マリみて』最新刊も買ったのだけど、アニメ版で負った心の傷(笑)のおかげで、ちょっと『マリみて』に対するテンションがダウン気味なので後回し(エピソード的にもそんな大きな動きがありそうじゃないし、祐巳の妹問題もまた先送りだし)。総ページ数260ページ強な上、内容もやたらと濃くて読みがいがあるので、何日かはこの本に集中。そのうちに、テレビ放送時にも感じていたモヤモヤが色々とハッキリしてきたので、思うところを色々書き連ねてみることに。仕事の修羅場と重なったこともあって、かなり遅くなってしまいましたが、アップさせていただきました。
開くといきなり
「赤いモビルスーツに載せてればシャア」な『SEED』の福田監督インタビューという不愉快千万な構成に閉口(笑)。まあ、これはCS放送版で見たからスルーして、唐沢俊一氏が裏モノ日記で書いていた、プロデューサーの岡野勇氏による問題提起の前/後記をまずはざっと読んでから本編へ。俺が以前「これはどーよ?」と思った萌え部門の頭の痛い内容は相変わらずだが、ゲーム部門が丸々カットされているのはどういうことなんだろうか? 萌え部門とは別の意味でいまいちな内容だったから外されたのかも知れないが、何も説明がないのはちょっと不親切のような。
脚注と平行しながら読み進めていたのだけど、内容がやたらと濃くて長いために脚注と対象となる本文が何ページも離れる部分が多くてちょっと読みづらく感じることも。これだけ脚注が大量になるのなら、章の終わりごとにまとめた方がよかったんじゃなかろうか。
村上隆に関する脚注が、何とも微妙な気遣い(?)の産物のように思える長文で「オタクの村上批判は間違っている」的な擁護よりの長文だったので、色々あるんだろうかと邪推したり(笑)。まあ俺の場合は
「あんなキモいキャラは(゚听)イラネ」で終わっているんですが。ルイ・ヴィトンだって、村上コラボのケバくて落ち着きのないデザインのより、スタンダードなやつのほうがずっといいじゃない。岡田氏は「(村上は)手が届かない高みに登ったからからオタクも叩き飽きた」と語っているのだけど、
ウェイン町山氏の村上隆批判で露わになった「現在の村上隆はオタクの間でどう思われているのか」というネット上での反応を見る限り、どうも意識のズレを感じるのだが。
村上隆の件に限ったことではないのだが、昨年度のオタク大賞の頃からおぼろげに感じていたオタク論壇の行き詰まりみたいなものが、如実に表れたのが『日本オタク大賞2004』だったのではないだろうか。書籍版の前/後記でも
「オタクが指し示す物が拡大することによって、共通言語が失われた」と語られているが、その弊害からか岡田・唐沢両氏をはじめとするホスト陣がフォローしきれないジャンルが増えて、その語りや分析に納得しがたい部分がやたらと増えているように思う。この兆候を感じたのが、
前回のオタク大賞における『任意ラジオ』に対する評価の低さだ。
司会進行の児玉さとみ氏が『任意ラジオ』の話題を振った際、岡田氏は「美少女キャラが2ちゃんねるネタで毒舌吐くのが最近のオタクに受けたのね」だけで終わらせてしまったが(これに関してはネタふりの仕方にも問題があったように思うが)、『任意ラジオ』で真に評価すべき点は
アマチュア(同人誌)レベルでクオリティの高いネットコンテンツ配信をやったのけた点ではないのだろうか。この年のオタク大賞では『月姫』『ほしのこえ』に関しては色々語られていたが、アマチュアとプロの垣根が崩されたという点から見れば、『任意ラジオ』も同列で語るべき重大事件だったはずなのだが。
オタク大賞という企画は、オタクに対する造詣が深く、その魅力をわかりやすく伝えるスキルを持った岡田・唐沢両氏のパーソナリティーがあってこそ成立しうる企画だと受け手の自分は思っている。それゆえに、最近のオタク関係の最先端事情に関して両氏が掴み切れていない場合、企画自体の面白さも説得力も失われてしまうのではないか。『ガンダムSEED』や『宇宙のステルヴィア』に関しても、作品そのものと周辺事情、そしてそれとリンクしたオタク側の反応を合わせて考えてみれば、オタク大賞で語られたこととのズレがいかに大きいかがわかる。それらに関しては別ページにまとめたので、興味のある方はそちらを参照してください。
『ガンダムSEED』『宇宙のステルヴィア』『まほろまてぃっく〜もっと美しいもの〜』最終回『萌え部門』『さくら出版・まんだらけ原稿流出事件』 上記の中でも『ガンダムSEED』に関しては、岡田・唐沢両氏よりもリアルタイムで作品を追っていたであろう氷川竜介氏や藤津亮太氏からも納得のいく意見が出なかったのががっかりだったのですが(;´Д`)。
実際の所、
岡田・唐沢両氏現在進行形のオタクジャンル(漫画・アニメ・ゲーム・同人など)すべてを語らせようとする「オタク大賞」のフォーマットにはもう無理があるのではなかろうか。「オタク」という広義のつながりだけで中身は別ジャンルに等しいものを、その方面に疎い人に無理矢理語る(語らせる)のは受け手・送り手双方にとってストレスの溜まる不幸なことでしかないと思う。自分は両氏のファンなだけに、現在進行形のオタクネタに関してトンチンカンなことを書かれたり語られたりすると悲しい気分になるし、それをネタにアンチなオタクがバッシングのネタにしているのを見ると、さらに悲しい気分になるのだ。
(その2に続く)
Track Back URL: http://s03.2log.net/editor/tb.php?id=a4650:blog:74
( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェー
Posted by 石黒直樹