歯車党日記

オタク系フリーライター&編集者・石黒直樹の徒然日記&コラムです

表現の自由に危機をもたらした週刊文春の「罪」

04/04/01-18:03

『日本オタク大賞2004』絡みのことで、色々と書こうと思っていたのだけど、サイゾー最新号での岡田斗司夫氏の言動に「オウ、シット!」とへこんだり、「オタクにも天然ものと養殖ものがある?」みたいな面白いネタを見つけたりで、ますますまとまらなくなったり(^_^;)。仕事が忙しくなる前に何とか形にせねば……。と言っても、すでに次の大王用の書評とKOTOKOインタビューのまとめを進めなくてはならないのですが(;´Д`)。

 んで、今回のメインネタ。週刊文春の出版差し止め処分が棄却されて、新聞各紙などで色々と報じられていますが……

判決は支持するがお前(文春)の態度が気に入らない

 この問題の当初から思っていたんですが……文春には「つまらない記事はボツにする」っていう、雑誌の作り手としての判断基準は存在してないんだろうか?
 こんな小さな囲み記事レベルの内容を、メイン扱いでデカデカと広告に載せてさも凄いスキャンダルかのように仕立て上げる詐欺行為に関して何か思うところはないのだろうか?
 こんなつまらない記事で言論の自由を左右するような事態にまで発展させた自分たちの行いを反省もせずに、俺たちは勝ったなどと浮かれるのって恥ずかしくないのか?

 言論の自由にかこつけて、レベルの低いゴシップや読み手を意図的に誘導するようなクソ記事を乱発する最近の週刊誌系メディアにはあきれていたので、文春の出版差し止めに関しては「ちったあいい薬になるだろ」ってことで全面支持だった自分としては、今回の差し止め棄却は非常に残念に思ってたり。特に文春は、ゲーム脳絡みの記事で神戸や福岡の児童殺傷事件がゲームのせいで起きたかのように思わせる記事図版構成かましたり、店頭で調べただけのCEROレーティング別のゲームリストを「格付け機関による極秘リスト入手」なんてアホな煽り方したりしてましたし。
 今回の件で「司法のエリート連中は何もわかっていないから、こんな世間の感覚と遊離した処分を下す」みたいなことを吠える識者もいましたが、そういう連中に限って「あとで名誉毀損裁判起こせば名誉は回復できる」などと言っているのにも閉口。自分たちこそ世間の感覚と遊離しちゃいないのかと。裁判で勝ったからと言って、訴えられた側のメディアが問題になった記事と同等のページを割いて謝罪する事なんて滅多にないことを知らないんだろうか? 奥付ページに小さく謝罪文載せる程度でどうやって名誉が回復されるというのだろうか? プライバシー侵害の問題が起こった際の名誉回復のシステムが確立しているなら、何で報道被害の問題がいつまでたっても無くならないのか、識者はちゃんと説明できるのだろうか? 文春前号の45ページにも及ぶ反論特集に記事を寄せていた連中が、そこらへんについてどう考えているか聞きたいものです。相手が田中真紀子の関係者だからむやみにエキサイトしてるだけなんちゃうかって奴も多い感じでしたし(昔から反田中真紀子色を押し出している産経新聞もそんな感じ。今回の件の記事でも「プライバシーの侵害はあった」「公共性無し」という司法判断にはほとんど言及してなかったし)。
 今回の件で「報道現場が萎縮するのはよくない」みたいな論調もあるけど、逆に「プライバシーに踏み込むならそれだけの意味がある内容の記事にしなくてはならない」っていう戒めになって、記事のレベルを上げるのにはむしろプラスではないかと思うんだけど、ぬるいゴシップで楽に誌面を埋めたい向きには都合の悪い傾向なんだろうかね。

 2ちゃんねる関係や、先日の松文館などの裁判の時にも思ったことだけど、「表現の自由」を潰すのはお上ではなく、「自由」というお題目に甘えて無軌道に暴走し、お上に規制の引き金を引かせる送り手側なんじゃなかろうか。そのことに何ら自覚も反省もなく、「我々の勝利だ」とはしゃぐ文春を見てると、今回の判決はむしろデメリットしかなかったんじゃないかろうかと、鬱な気分になるんですが。

●参考リンク
赤尾晃一のわかば日記
 メディア関係のニュースなどでよく見かける、静岡大学情報学部教員・赤尾晃一氏のホームページ。一歩引いた視点から、文春問題を捉えたコメントが多数書かれているので、必読。



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( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェー

Posted by 石黒直樹
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