歯車党日記

オタク系フリーライター&編集者・石黒直樹の徒然日記&コラムです

すべての新選組物は『燃えよ剣』の同人誌((C)全日本妹選手権)

04/03/28-20:23
 浪士隊結成→上洛という展開に突入し、いよいよ本編突入といった感の大河ドラマ『新選組!』。いままでのマターリ展開に不満を持っている人も多いけど、むしろそれがあるからこそ京都での話が盛り上がるんじゃないかと思うんだけどなあ。
「闇討ちなど武士のすることではない」とヒュースケンを助けたあの近藤さんが、芹沢鴨を闇討ち・暗殺。さらにあれだけ近藤の元でつながっていた試衛館の面々なのに、山南や藤堂を殺し、永倉・原田はやがて近藤と袂を分かつ。そして何よりも「放課後の部室でだべってる男子高校生」的な緩さを醸し出していた彼らが、幕末最大の人斬り集団として血にまみれていく過程をいかに描いていくのか……彼らが辿る道がわかっているからこそ、こういった楽しみを味わえるのが『新選組!』の魅力なんだと思う。

 でもまあ、そういったところまで考えが至らない人も多いわけで(;´Д`)。以前の記事ではドラマということも解せずに、第1話だけで「史実に反する」と騒ぐ文春に異を唱えましたが(関係ないけど、この件やゲーム脳絡みのヨタ記事の件もあるので、先日の文春販売差し止めは「ざまーみろ」としか思ってません。マジメに思うところもあるので、それは後日に更新で)、ここ最近では日刊ゲンダイと渡辺多恵子(自身も新選組漫画を描いている女性漫画家)が色々とやかましいようで。
 日刊ゲンダイに関しては、何でも叩かないと気が済まない煽り厨房レベルのメディアなので、正直気にする必要もないかと思う。ここ何年も「このままでは日本は滅びる」と毎日のように騒いでいたけど未だに滅んでないし(笑)。先日も長嶋茂雄氏の入院に関して、「回復しつつあるなんて嘘っぱち。本当は重傷なのを関係者とマスコミが口裏を合わせて隠しているだけなのだ!」と2面目でぶち上げた同じ日のスポーツ面では「長島氏、無事に回復へ」とデカデカと記事にしてるし(笑)。映画秘宝も真っ青のダブルスタンダードぶりですよ!
 そんなゲンダイの「新選組!」叩き記事の一つに「やむにやまれず『新選組は変』とNHK批判した松平健の男気」(2月23日発行分に掲載)というのがあったのですが、これがよくよく読むと引っかかる点が。

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「若い人は動きや所作が現代劇と同じ」という意見は、時代劇俳優の重鎮として頷けなくもないが、「あの時代は士農工商の身分制度がハッキリしていたのに、皆が友達のようではどうかと」という点。試衛館の面々の描写なら、近藤に惚れて集まってきた連中なんだから仲良しで問題なしだろう。メシ屋などでの店の人間への態度? あんなところで身分差ひけらかすような言動をする方がむしろ近藤勇らしくないだろう。多摩の人間に対する態度? 故郷の恩人・友人・肉親に対して身分差をはっきりさせる必要性はないし、これもまた近藤らしくないだろう。そもそも身分差に憤りを感じて「武士よりも武士らしく生きる」と心に誓っている近藤と、それに共感し慕う仲間たちが、身分が下の者を見下すような身分差描写を入れたら、それこそ「そんなの新選組じゃない!」と批判されそうなものだが。
 とりあえず2月23日までの放映分の中に松平健が苦言を呈したような描写自体が見あたらないこと&記者会見後のオフレコ発言ということを考えると、マスコミ側が偏った情報で誘導して松平健から『新選組!』批判を引き出したんじゃないかと疑ってしまうわけで。そうじゃなければ、松平健はろくにドラマも見ずに批判してるドキュンってことになるが(^_^;)。
 結局のところ、ドラマの中身や演出意図も読み取らず、視聴率とか役者自身のゴシップとか、わかりやすいツッコミどころだけをことさらクローズアップして叩くのがマスコミってことでしょうか。上記の記事を取り上げて色々言っちゃってるココも痛いですし。

 そんなゲンダイも足元に及ばないのが渡辺多恵子。三谷幸喜氏のコラムでネタにされて話題となった『新選組!』批判の原文がこれですけど……なんか自分の気にくわないカップリングを描く作家を叩いて「わたしの方がずっといいわよ!」と吠える同人腐女子の煽りカキコにしか見えないのは気のせいでしょうか?
 ここで出てくるのが今回のタイトル。

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 先日発売された全日本妹選手権第6巻に、新選組をネタにした話があるのですが、その中の指摘がけっこう的確。そのひとつがタイトルに使った一節なのです。『燃えよ剣』がすべての新選組もののパブリックイメージを作ってしまう程のインパクトがあったのは厳然たる事実。事実、三谷氏も「今伝わっている新選組のエピソードのうち、史実なのか司馬遼太郎の創作なのかごっちゃになっているものもある」と言うようなことを語ってましたし。さらに「女性作家はお気に入りの隊士を描くことを重視し、気にくわない描写の作品は激しく拒絶する」(今回の渡辺多恵子はまさにこれかと)「男性作家は新選組そのものにこだわり、女性作家では描かないような掟破りの隊士描写をやったりもする」と、作家の性別による新選組物の傾向分析もあり、様々な『新選組!』バッシングを読み解く上でいい資料かも。
 そんなわけで『新選組!』叩きの根本的な動機は「俺の新選組はこんなんじゃない!」という極めて個人的な動機に基づくものやおい同人界のカップリング論争だと思えば、むしろ微笑ましいかも。あとは単に「目立つ物を叩きたい」という厨房的な物だし。三谷氏も、一部のバッシングなんか気にせずいいドラマを作ることに集中してほしいものです。「ネットでは批判ばかり」というけれど、支持してる意見だっていくらでも転がっているんですから。そもそもNHKは「視聴料を取っていいコンテンツを作る」のが本道であって、民放みたいに視聴率を気にするのは何か違うんじゃないかと。一部で噂される視聴率アップのためのてこ入れなんてやらかしたら、自らの存在意義を否定するようなものじゃないんだろうか。
 あと疑問なのが、どの時間帯をもって視聴率を計っているのかという点。大河ドラマは地上波・BSアナログ・BSデジタル各局で週二回(含む再放送)放映しているのが現状。これだけ分散していると「自分の見やすい時間帯で見る」ということになり、自ずと視聴率自体も分散されると思うんだけどね。ちなみに自分はBSデジタル、母はBSアナログで本放送を視聴しているので、地上波版は一度も見ていません(^_^;)。ここらへんの総合的な視聴率データはないんだろうか?




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Posted by 石黒直樹
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