歯車党日記

オタク系フリーライター&編集者・石黒直樹の徒然日記&コラムです

萌えとアニメにコンプレックスを感じる日本映画界?

04/03/19-04:28
 昨日の更新で取り上げた映画秘宝最新号での『週刊わたしのおにいちゃん』バッシング(?)ですが、見方を変えるとこういう捉え方もできますね。

『週刊わたしのおにいちゃん』(=萌え)は受け手を犯罪者にしてしまうほどの魔力を持っているが、映画は所詮絵空事なので殺人を描こうと犯罪を描こうと人を狂わせるほどの力など無い。
 映画秘宝のスタッフや一部のコアな読者ががやたらと萌えやアニオタを叩くのも、映画が萌えに敗北している現実を認めたくないから、マッチョイズムを振りかざして目をそらしているにすぎないのだ。


 まあ、これは冗談ですけど(笑)。でも、たった今「日本映画専門チャンネル」で押井守監督の『アヴァロン』を見終わり、「アッシュって何となく草薙素子っぽいよな。ベースのネタもネットワークだし。やっぱ本田透さん@しろはたが言ってた通り、押井監督は「素子たんハァハァ」なのか?※リンク先は『イノセント』のネタバレなので注意」と思いながら『アヴァロン』でググってみると、こんなインタビューが。

―― 日本映画の現状に関してご意見をうかがいたいのですが?

押井 ぜんぜん興味ないですね。10年ぐらい前までは興味があったんだけど、邦画界の中での自分の居場所とか、邦画の世界はどうなってしまうんだろうとかね。そういうことを考えていた時期、かなり前ですが慶應大学の文化祭か何かで呼ばれて行って、金子修介と対談した時に、ぼくは「もう邦画なんか滅びちゃっていいんだ」って言ったの。「邦画の世界は、全部ダメになって別のシステムでやり直した方がよっぽど早い。邦画の幻想にしがみついてズルズルとジリ貧になるより、一度破産してやり直す方がいい」って言ったの。そしたら金子修介がエラく怒って「部外者みたいな話し方するな! あんたも邦画の人間なんじゃないのか? 日本の映画人じゃないのか?」と言うんです。そう言われても、ぼくは今まで日本の映画人扱いされたことないもん。アニメやってるだけだったしさ。まず、アニメの監督を映画監督扱いした奴がいるか?という話になったわけです。今まで放ったらかしにしておいて、今さら映画人扱いするな!ということです。基本的に今でもその考え方は変っていません。日本アカデミー賞にはアニメーションの部門がありません。アニメーションは今でも映画扱いされてないんですよ。
ニフティ日本映画街フォーラム『アヴァロン』インタビューより)


 日本アカデミー賞の公式サイトを観てみると、確かにアニメ部門は存在しない。過去10年ほどの受賞リストをさかのぼっても、アニメは『千と千尋の神隠し』『もののけ姫』のみと宮崎駿の指定席状態(笑)。ハリウッドにも多大な影響を与え、実質的続編の『イノセンス』が日本テレビの総力プッシュを受けているにもかかわらず、『攻殻機動隊』は当時の日本アカデミー賞からは完全無視されているわけで。当然『劇場版パトレイバー』などは、はなから眼中に無し状態。確かにこれで「日本の映画人として」なんて言われても困るだろうなあ。
 こうして考えると、日本の映画関係者の中にある「映画>>>アニメ(=オタク関係)」という格付け意識は、邦画が海外作品やアニメに負けているというという関係者には認めがたい事実によって強化の一途をたどっており、本来そうしたものとは無縁と思われていた映画秘宝でさえも、そういった空気からは逃れられなくなっているということなんだろうか。『わたおに』バッシングと『月刊わたしのおにいちゃん』というパロディ企画を掲載した意図も「萌えを屈服させて優位性を示したい」という秘宝なりの抵抗なのだろうか。そう考えると、何となく哀れに思えるから多少は怒りも薄れるか?
 まあそれでも、昨日指摘した「メディアと犯罪の因果関係」に関する二枚舌のどちらかは切り落として、映画秘宝のスタンスってものをはっきりさせてほしいですけどね。



Track Back URL: http://s03.2log.net/editor/tb.php?id=a4650:blog:68


( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェー

Posted by 石黒直樹
歯車党日記