05/01/02-03:21
なるほど! 弁護士の名前があればたとえおざなりでも質問に答えてくれるんですね、大谷昭宏大先生(笑)。●歪んだプロファイリングの功罪 それはさておき、奈良県での少女誘拐殺害事件が、冬コミ二日目というある意味象徴的な日(笑)に解決したわけですが……犯人は前科二犯の真性ロリペド変質者っていうのはどういうことでしょう? 何よりも大谷昭宏大先生がおっしゃっていた
「楓ちゃんをフィギュア扱いして殺したフィギュア萌え族(仮)」っていうのはなんだったんでしょう? 幼女誘拐殺人事件の周辺地域に前科二犯の男がいたら、真っ先に容疑者にリストアップされるだろうに、なんでここまで逮捕が遅れたのだろう? 携帯メールでのアピールという劇場型犯罪タイプの行動に振り回され、なまじ携帯基地局の記録で犯人の居場所を絞り込めるという自信が逆に捜査を行き詰まらせることになったのだろうが、「フィギュア萌え族(仮)」という何の根拠もな
いいい加減なプロファイリングがワイドショーを通して周辺住民に刷り込まれ、住民から警察にもたらされる情報に歪みが生じた可能性も否めないだろう。大谷昭宏大先生は、ジャーナリストとして自分のいい加減な発言が及ぼす影響についてどう考えているのだろうか? まあ何も考えていないんだろうけど。
同じ大阪なんだから、海洋堂あたりが正式に抗議表明でも出せばいいのになあ。もしくはフィギュアを世界に誇れるブランドやアートとしてアピールされているあさのまさひこ氏や村上隆氏あたりが。こういう類の偏見は無視すればいいと言う意見もあるけど、何も言わないと図に乗ってさらに吠えまくる「ゲーム脳」みたいなうざい現象にもなりうるわけで。過剰に叩くのはともかく
「あんた、それ間違ってるよ」と一言言っておくぐらいはすべきだと思うんですが。以前に書いた公開質問状にしても、とにかく直接言うだけ言っておこうっていうのが主目的で、返事は「返ってくれば一般ジャーナリストがオタクをどう捉えているかのサンプルになって面白いな」ぐらいの期待度でしたから。『カイジ』の利根川先生も言っているように「大人は質問に答えない」ものだから(いや、俺も大人だが)。
●犯罪を犯すか否かは個人の資質によるものである そもそも、今回の事件が起こった時点で
「犯人がオタク」という可能性は低いだろうと思っていた。
岡田斗司夫氏や唐沢俊一氏が度々語っている「オタクと犯罪が無縁だとはもう言えない時代になっている」という言説にオタク性善説を持って反論するわけではない。これだけオタクの裾野が広がった現在では、当然その中にトチ狂うバカだっているのだ。だけど、その犯罪にもレベルってものがある。今回の件に関して言えば、さらってイタズラぐらいまでなら踏み出すバカもいるだろうし、その最中に誤って殺してしまったなんて事態までならありうるだろう(頭に血が上って人を殺してしまうという事件は、オタクに限ったことではなく良くあることだ)。でも
「明らかに殺そうとして」相手を殺し、その死体を損壊して人目のつく場所に遺棄し、メールで自身の犯罪をアピールする……ここまでやってしまえるのは、すでに人間として何かが壊れている者だけだ。そしてオタクにはここまで踏み越える度胸(という言い方もあれだが)のある人間はまずいない。
オタクはある意味、たいがいのストレスをフィクションやネットに浸ることで解消できるスキルを持っているからだ(世間で起きる事件一般に目を向けてみれば、傷害・殺人・性的暴行の類でつかまる人間は明らかにリアルでしかストレスを発散できない非オタクがほとんどだと言っていい)。フィクションですら満足できないほど自身の欲望が大きくなれば、当然オタクでもこの類の犯罪に手を染めることはあるだろうが、犯罪へと踏み越えるハードルは非オタクに比べれば相当に高いのではないだろうか。
以上は大谷昭宏をはじめとする「オタクだから犯罪を犯す」という主張に対する反証であり、「オタクは犯罪を犯さない」という主張ではない。犯罪は当人のモラル崩壊やストレス処理不全から引き起こされるものである以上、その原因はあくまで個人の資質に帰結するものなのだから、「絶対にする/しない」というのはナンセンスなのだ。
●「規制をすれば問題は解決する」と思う人たちの安易さ ここからは奈良の事件から離れて、全般的な話を。
上に書いたように犯罪を犯すかどうかは個人の資質によるものが大きい。少し考えればわかることを、大谷昭宏をはじめとする一部のマスコミはわかっていない。もしくは意図的に無視している。件の「フィギュア萌え族(仮)」にしても、「子どもを守ろう」的主張を背景にエロゲーやエロマンガを目の敵にするボランティア&市民運動にしても、上記のようなオタクの特性をわからずに
聞きかじりの知識と偏見だけで「犯罪者予備軍のオタク像」を勝手に作り上げているだけという面が強い。実際に事件を起こすのはフィクションで満足できない「踏み越えた連中」だし、子どもの性的被害や児童買春にしても、実際に加害者となっているのはオタクよりも学校の先生だったり中年オヤジだったり、ひどい時には父親だったりする場合の方が多いのだ。
「フィクションが悪影響を与えて犯罪を誘発する」という主張も定番だが、その際に叩かれるのはゲーム・アニメ・漫画、そしてサスペンスドラマなど規制を叫ぶ人の目につきやすく目立つものばかりだ。だが、こういったフィクションが実際の犯罪発生率を押し上げているかどうかのデータが提出されたという話は聞かない。
エロゲー・エロマンガの規制については「刺激的な情報に子どもが触れることで性犯罪を誘発する」という主張がよくなされるが、女子小中学生が何の問題もなく買えてしまう本の中に、エロゲーやエロマンガ並にアンモラルなセックス描写にあふれる小学館系少女マンガや、過激なエロ系記事が平気で載っているローティーン向けファッション誌が存在している状況を問題視している様子は見られない。一見してエロと分からないから規制派の目に入らないからだろう。
前の方でも書いたが、自分はオタク性善説を盲目的に唱える気はないし、犯罪に手を染めるバカだっているだろうと思っている。でも、叩きやすいオタクやその周辺メディアを槍玉に挙げて、問題の本質的な解決へと踏み込まないのは愚の骨頂ではないだろうか? 規制を叫ぶ人たちは目障りなメディアを消滅させるor目の届かないところに押し込むだけで満足しようとしているだけではないのだろうか? 特に児童虐待の問題に関しては、フィクションのポルノ云々よりも現実の子どもの間近にある危機(親による虐待を周囲が察知できる社会作り、教師の質の向上など)に目を向けることの方が重要なはずなのだが。規制するだけでよかれと考えているジャーナリストや市民運動家は、もう一度問題の本質を見直すべきだと思うのだが……
まあ、大谷昭宏大先生には死ぬまで無理なんでしょうけどね。※1月3日・一部改稿。ついでにわたしが「オタクは絶対犯罪を犯さない! オタクイズビューティフル!」と言い張ってると誤読している人がいるようなので、そういう人たちにもわかりやすいように一部赤字で目立つようにしてみました。
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( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェー
Posted by 石黒直樹